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2024.09.30

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加工のムダをなくす方法は?概要やオフィスワークへの落とし込み方も解説

加工のムダをなくす方法は?概要やオフィスワークへの落とし込み方も解説

丸山 浩幸

監修者

丸山 浩幸

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。大阪府出身、トヨタ自動車の品質管理にて41年の現場経験を経て、OJTソリューションズに入社しました。お客様の現場では「この改善、よかったで!」ともう一声の思いやりを大事に、仲間意識が高まるような改善活動ができるよう日々伴走しています。

日々こなす業務はすべて必要だと考えている方も多いでしょう。しかし、仕事のなかには不要な業務も含まれています。トヨタでは本来しなくてもよい業務をおこなうことを「加工のムダ」と呼んでいます。

「加工のムダ」は仕事の完成度に影響しない不要な業務として扱われており、業務効率が低下するばかりか、本来優先度高く着手すべき重要な業務が後回しになってしまう可能性もあります。「加工のムダ」が起こる原因は仕事の目的がメンバー全員に共有されていないためだと考えられるため、トヨタでは仕事の目的を明確にします。

本記事ではトヨタの「加工のムダ」の概念や、解決策を紹介します。業務効率や生産性を向上させたい方はぜひご覧ください。

加工のムダとは

日々の業務のなかには不要とされる業務も潜んでいます。トヨタでは本来しなくてもよい業務を「加工のムダ」と呼んでいます。求められる精度や機能以上に加工を行うことなどがこれにあたります。例えば誤差10mm以内が良品とされている製品に対し、誤差が3mm以下になるまで加工を続けることは「加工のムダ」です。

これは本来の仕事の完成度には影響しない不要な作業として削減が徹底されています

「加工のムダ」は仕事の目的が共有されていないことから生じることが多いと考えられています。

身近な例で例えると、あなたがスーパーで食パンを買ってきてと頼まれたとしましょう。しかし、あいにく食パンが売り切れだったためメロンパンを買ってきたら、食パンではなかったことに怒り出し、メロンパンはムダになってしまいました。メロンパンに怒った理由は「サンドウィッチを作るために食パンがほしかったから」です。このような事態は「目的」を伝えていれば回避できたはずです。

「加工のムダ」はトヨタの生産現場でムダを見つける視点として使われる「7つのムダ」のひとつです。以下の記事では7つのムダを詳しく解説しています。改善の具体例もまとめているので、ぜひご覧ください。

7つのムダとは?トヨタ生産方式の考え方や改善の具体例も解説

目的によって資料の作り方も変わる

先ほどの食パンの事例のような事態は職場でもよく起こります。例えば、一度しか使用しない社内向けの資料を作る際に、レイアウトや装飾などの見栄えにこだわりすぎてしまう人は多くいるでしょう。しかし、資料によって第一印象や評価が変わる状況ではない限り、見栄えにこだわる必要はありません。

むしろ要点がシンプルにまとめられている資料の方が誰が見てもわかりやすく、業務効率を上げられます。

資料を作る目的を提示し資料作成者に共有されていれば、このような「加工のムダ」は起こらないはずです。また、資料作りに携わる人は、「誰に対して、何の目的で資料を作るのか」を把握してから作業に取りかかることが望ましいでしょう。

もちろん、資料作りに関わらずどのような作業でも「目的」を把握してから作業を始めることが重要です。

「いちばん大切なポイント」を事前に確認しておく

目的の共有と同時に「いちばん大切なポイント」を事前に確認し、依頼者と共有するのも重要です。例えば、会議の議事録など100%の完成度を求める方もいらっしゃるでしょう。しかし、会社の業績を大きく左右するような案件でないにも関わらず、完成度にこだわりすぎた場合、かえって連絡の遅れなどの問題が発生する可能性があります

社内で共有する資料であれば、完璧さよりも最小限の労力で効率的に仕事を終えることが重要です。つまり、完成度よりもスピード感を意識すべきだと言えるでしょう。トヨタではどのような状況においても、仕事の目的を把握するとともに「いちばん大切なポイント」を考慮したうえで仕事に取り組むことを大切だと考えています。

仕事の「標準」を決めておく

「加工のムダ」をなくすため、トヨタには「標準」という考え方があります。「標準」とは各作業のやり方や条件のことで、遵守することで「誰がおこなっても良品で同じものができるしくみ」です。「標準」をメンバー全員が認識していれば品質に差を出さずに製品を作りあげることが可能です。

例えば、AさんとBさんが同じ作業をしたときに、Aさんはミスなく1時間で終わり、Bさんは3時間かかったうえでミスも発生しているとしましょう。このような状況は「標準」が共有されていないために起こります。「標準」がしっかりと定められており、メンバー全員が正確に把握できていれば誰もが時間をロスすることなく、一定レベルの仕事をこなせるでしょう。

以下の記事ではトヨタの「標準」の概念を詳しく解説しています。「標準」を設定するメリットや標準書に記載すべき3つの項目もまとめているので、ぜひご覧ください。

標準をつくる重要性とは?メリットや記載すべき3つのことも解説

まとめ

トヨタでは仕事の完成度に影響しない不要な業務を「加工のムダ」と呼んでいます。「加工のムダ」が起こると業務効率や生産性が低下するだけではなく、優先度の高い業務が後回しになってしまうリスクがあります。

「加工のムダ」を解消するためには、以下の3つの方法が有効です。

  • 「目的」を認識して仕事に取り組む
  • 「いちばん大切なポイント」を事前に確認しておく
  • 仕事の「標準」を決めてメンバーに共有する

目的や「いちばん大切なポイント」を認識して作業に取り組むのはもちろん、トヨタ式の「標準」の考え方を取り入れるのも、「加工のムダ」を回避するのに有効です。「標準」が定められていれば不要な業務・過剰な業務をおこなうことがなくなり、メンバー全員の時間のロスを防ぐことにもつながります。

業務効率や生産性を向上させたいとお考えの方は、ぜひ今回紹介した「加工のムダ」の解決策を実践してみてください。

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