トヨタ式改善で現場を変えるメディア 改善ライブラリ

生産性向上

  • TOP
  • 生産性向上
  • つくりすぎのムダとは?なくす方法や「最大のムダ」と言われる理由も解説

生産性向上

2024.10.11

ブログをシェアする

つくりすぎのムダとは?なくす方法や「最大のムダ」と言われる理由も解説

つくりすぎのムダとは?なくす方法や「最大のムダ」と言われる理由も解説

見城 吉昭

監修者

見城 吉昭

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポ―トするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車の機械加工にて39年の現場経験を積み、OJTソリューションズに入社しました。趣味の読書や旅行で自分の世界を広げながら、現場で働く人の声を大事に「働く人の心のための改善」に日々取り組んでいます。

生産現場では、設備や人員に余裕があると前倒しで生産を進めてしまいたくなるものです。トヨタでは、必要以上の量をつくることや必要なタイミングよりも早くつくってしまうことを「つくりすぎのムダ」と呼んでおり、最も注意すべきムダの一つとされています

製品のつくりすぎはもちろん、身近な業務の例では「念のために会議資料を人数分より多くコピーする」などもつくりすぎのムダといえます。つくりすぎのムダをなくすためには、常に「なくせないか?」「やめられないか?」という意識を持つことがポイントです。本記事ではトヨタのつくりすぎのムダの概要や具体的な解決方法を紹介します。業務効率向上を目指したい方はぜひご覧ください。

つくりすぎのムダとは

つくりすぎのムダとは、必要とされる量よりも多くつくったり必要なタイミングよりも早くつくったりすることをいいます。必要量とは売上に結び付く量のことを指し、売れないものをつくることほどムダなことはないというのがトヨタの考え方です。

また、つくりすぎのムダは在庫、運搬、不良品などの新たなムダを誘発する恐れがあるため、トヨタでは最も注意すべきムダとされています。つくりすぎのムダを生み出さないためにはどのようにすればよいのでしょうか。

必要なタイミングより早くつくらない

トヨタではつくる量だけではなくタイミングも重視しています。生産現場では、設備や人員、原材料に余裕があると、「早めにつくっておくのが吉」とされることが多いかもしれません。

しかし、供給のタイミングを間違えると結局在庫を抱えることになってしまいます。また、お客様のニーズがなくなって売れ残ってしまうだけでなくお客様のニーズを反映した商品を市場に送り出せないなどの状況も起こるかもしれません。

また、「在庫のムダ」に加えて、置き場の確保や「運搬のムダ」も発生し、そのための人員も必要となります。また、仕様変更があれば「不良品をつくるムダ」にもつながります。このように、「つくりすぎのムダ」は新たなムダを生む根源的なムダとされているのです。

かつてはトヨタでも、つくりすぎによる売れない在庫を抱えたことで倒産の危機に陥り、従業員解雇の事態を発生させた過去がありました。この時の辛い経験から、売れに結びつかないものをつくる「つくりすぎのムダ」はなくすよう徹底されているのです。

つくりすぎの原因は、生産量のバラつき、過剰な人員や設備にあることが多いです。「好きな時に好きなだけつくれてしまう」しくみになっていないか見直す必要があるでしょう。また、標準在庫を決めて守らせることも重要です。

「やめる」ことは怠けることとは違う

つくりすぎのムダを生み出さないための方法のひとつが、「なくせないか?」「やめられないか?」という意識をもつことです。これは生産現場だけではなくオフィスでも同様で、「なくてもよい仕事をしていないか?」と疑うことでつくりすぎのムダをなくせます。

時間の経過とともに、適切な仕事の頻度やボリューム、対象などは変化していくため、常に必要な仕事と必要ではない仕事に分類する習慣を身につけるべきです。今までやっていた仕事をやめるのは「怠けている」というイメージにつながり、罪悪感をもつ人もいるかもしれません。しかし、する必要のない仕事をして他の人の仕事を増やしてしまっている場合、そのほうが罪は大きいといえます。

ときには今やっている仕事をやめる勇気をもつことも大切です。

仕事の重複を確認する

日々の業務のなかには重複するものもあるかもしれません。生産現場で別の工程が同じものを重複して作ってしまう、ということは少ないかもしれませんが、オフィスでは仕事の重複が起こりがちです。例えば、営業部とマーケティング部ではそれぞれ同じような売上の予測データを作成していることがあります。これはまさに仕事の重複が起こっており「つくりすぎ」の一種といえます。

もちろんデータの詳細は異なるかもしれませんが、重複する部分が多い仕事の場合、「どちらかをなくしても問題ないか」という発想をもつことが大切です。

常に重複する仕事はないかアンテナを張ることで、それぞれの業務をムダなく効率的におこなえます。もし仕事の重複が多い仕事を見つけたら、何も考えずに同じ仕事をやり続けるよりも、どちらかをやめても問題がないようにもっていくほうが賢い仕事のやり方です。

「つくりすぎのムダ」はトヨタの生産現場でムダを見つける視点として使われる「7つのムダ」のひとつです。以下の記事では7つのムダを詳しく解説しています。改善の具体例もまとめているので、ぜひご覧ください。

7つのムダとは?トヨタ生産方式の考え方や改善の具体例も解説

まとめ

トヨタでは必要以上の量をつくることや必要なタイミングよりも早くつくってしまうことをつくりすぎのムダと呼んでいます。つくりすぎのムダを生まないためには、次のようなことを意識することが大切です。

  • 必要なタイミングより早くつくらない
  • 人員や設備など生産のしくみを見直し、標準在庫を決める
  • 「なくせないか」を考える

つくりすぎのムダが起こると、在庫を抱えるだけではなく新たなムダを生み出す可能性もあります。さらに、お客様のニーズに沿った商品を適切なタイミングで提供できないため、利益にも影響するでしょう。

トヨタではさまざまな現場で起こるムダのなかでも、つくりすぎのムダは「最も根源的で、最大のムダ」だと考えています。業務効率や生産性が悪いと感じている方は、ぜひ今回紹介したつくりすぎのムダを解消する方法を実践してみてください。

ブログをシェアする

無料資料ダウンロード
面白いほどムダが見つかる
トヨタ式
「7つのムダ」

トヨタ式改善を知りたい方は
お気軽にお問い合わせください

まずは無料相談!

052-218-5530

受付時間 平日 8:45~17:45(土日祝休)

OJT

PAGE
TOP