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2024.09.27

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トヨタの「5回のなぜ」の考え方とは?真因に迫る重要性や真因を特定する例を紹介

トヨタの「5回のなぜ」の考え方とは?真因に迫る重要性や真因を特定する例を紹介

見城 吉昭

監修者

見城 吉昭

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポ―トするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車の機械加工にて39年の現場経験を積み、OJTソリューションズに入社しました。趣味の読書や旅行で自分の世界を広げながら、現場で働く人の声を大事に「働く人の心のための改善」に日々取り組んでいます。

職場で問題が起こったら、目の前の問題を解決することだけを考えているケースが多く見られます。もちろん問題を解決することは優先すべき事項です。しかし問題の再発防止も同様に重要です。再発防止のためには、その問題を引き起こした真因(真の原因)を見つけ出す必要があります。

トヨタでは、「5回のなぜ」という考え方を用いてさまざまな問題を真因から解決してきました

問題の再発を防ぐことで解決にかかる時間や労力の削減が可能で、生産性や業務効率が向上するでしょう。本記事ではトヨタの「5回のなぜ」の考え方を詳しく解説するとともに、実際に問題解決した事例も紹介します。

真因を取り除かないと問題は再発する

問題が起こった際に、まず目の前の問題に対処すること自体は大切です。すぐに対処しなければお客様からのクレームにつながってしまうなど、スピードが問われる問題も多く存在します。こういった問題は、いったんはその場の解決を優先することも重要でしょう。

しかし、トヨタでは問題解決をおこなう際には真因を見つけ出すことが何よりも大切だと考えています。真因を把握せずに問題を解決することだけに注力すれば、問題が再発する可能性があるからです。

問題が再発しないようにするためには、問題の真因を見つけ出し、根本から解決をすることが大切です。仮にスピードを重視してその場の対処を終えたとしても、その後に問題の真因がなんだったかを必ず分析して把握することが大切です。その場の解決を「対処」、真因を把握して真因をつぶすことを「対策」と分けて呼ぶこともあります

真因に迫らないと中途半端な対策で終わる

トヨタには真因を見つけるための有効な手段として「5回のなぜ」という考え方があります。なぜ、なぜ、なぜ…と「なぜ」を5回繰り返すことで真因を見つけ、その真因に対して対策をしよう、という考え方です。

なぜこの問題が起きた?→Aだから。Aはなぜ起きた?→Bだから。Bはなぜ…という思考を5回繰り返せば、多くの場合で真因にたどり着けます。

もちろん、「なぜ」を5回繰り返すことなく、2、3回で真因が見つかることもあります。必ず5回やらなければいけないというわけではありません。しかし、問題解決に慣れていない人は表面的な原因を見て「これが真因だ」と決めつけてしまうこともあるでしょう。

真因が間違っていると中途半端な対策しかできず、問題が再発する可能性があります。また、対策の規模が大きくなりすぎてしまう場合もあります。たとえば品質不良があったとします。その原因が「設備のベルトコンベアが動きにくいから」だったとしましょう。ここでなぜなぜ分析を終えてしまうと、対策が「設備を新しいものに変える」という大掛かりなものになってしまいます。

ここからさらに「なぜベルトコンベアが動きにくいのだろう?」となぜなぜを深めていけば、もしかしたら小さな部品の破損が原因かもしれません。こうやって真因を特定できれば「小さな部品の交換」という効率のいい問題解決ができます。

そのため、トヨタではしつこいくらいに問題の真因を疑うことを文化としています

「5回のなぜ」で問題の真因を特定する例

「5回のなぜ」を用いて真因を特定するイメージをつかんでいただくために、ひとつ事例を紹介します。

例えば、若手営業担当者の成績がダウンしている問題が発生した事例です。この場合、「なぜ」を繰り返すと以下のような回答が得られました。

  • 新規顧客を獲得できていないから
  • 社長商談に持ち込めないから
  • 初回訪問から2回目訪問に進めないから
  • 商品説明がうまくできないから
  • 商品知識が不足しているから

多くの人は2回目の「社長商談に持ち込めないから」が真因だと考えてしまいます。この分析も悪くはないですが、ここを真因としてしまうと「社長に会う」が対策になってしまいます。対策の粒感も大きく「がんばって社長に会おう!」というスローガンだけで終わってしまうような気がします。

ここで分析を終えずに、なぜ社長に会えないのか?→初回訪問から次につながっていないから。なぜ次につながらないのか?→商品説明がうまくできず魅力を感じてもらえないから。なぜ説明がうまくできないのか?→そもそも商品の知識が不足しているから。このようになぜなぜを繰り返して真因にたどり着けば、今すべき対策がコンパクトかつ明確になります。

5回目の答えを見てわかるように真因は商品知識の不足です。

5回のなぜは慣れないうちは非常に難しいです。誰々が悪いから、会社が悪いから、と他責にしてしまう場合もあります。さらに、「5回のなぜ」で真因が見つからないこともあります。なぜなぜ分析を身に着ける第一歩は、途中で決めつけないこと、あきらめないこと、人のせいにしないことです。

最初からスムーズに真因にたどりくことは難しいですが、なんどもなぜなぜ分析をしていれば必ず身についてきます。「これなら効く対策がコンパクトに打てる!」こう思えるまでなぜなぜを繰り返し、真因を見つける訓練をしていきましょう。

まとめ

問題には必ず真因があり、真因を取り除かないと同じような問題が再発する可能性が高いです。しかし、真因を早合点してしまい、中途半端な対策しかできていない事例が多く存在します。

トヨタでは問題解決の際に「5回のなぜ」を繰り返して真因を見つけ出し、根本から解決することを徹底しています。しつこいくらいに「なぜ」を繰り返すことで、真因に直接アプローチできる解決方法が見つかり、再度同じ問題に悩まされることがなくなるでしょう。

問題解決がうまくいかなかったり同じような問題が何度も起きたりする場合には、ぜひトヨタの「5回のなぜ」を試してみてください。

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