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2024.10.18

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2つ上の目線でリーダーを育てる重要性とは?トヨタの研修の仕組みを紹介

2つ上の目線でリーダーを育てる重要性とは?トヨタの研修の仕組みを紹介

丸山 浩幸

監修者

丸山 浩幸

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。大阪府出身、トヨタ自動車の品質管理にて41年の現場経験を経て、OJTソリューションズに入社しました。お客様の現場では「この改善、よかったで!」ともう一声の思いやりを大事に、仲間意識が高まるような改善活動ができるよう日々伴走しています。

職場のメンバーをまとめるリーダーは、能力や成績が優れているのはもちろん、人を育てる能力にも長けていなければなりません。トヨタでは特に部下をどのように育てるか、優秀な部下が育ったかもリーダーの評価基準としています。

そのため、リーダー研修をおこなう際には2つ上の階級の職制が教える階層別研修を取り入れており、自分がこれからなろうとしている職制よりも高い目線で見ることの大切さを学ばせます。

2つ上の階級の職制から直接教育を受ければ、リーダーにふさわしい視点やモノの見方を学ぶことができ、部下からの信頼も得られるはずです。本記事ではトヨタのリーダー研修の仕組みやリーダーとしてのあり方を紹介するので、ぜひご覧ください。

トヨタのリーダー研修では2つ上の職制が教える

生産現場やオフィス、営業職でもメンバーをまとめるリーダーが存在します。リーダーに対しては数字や成果を上げることだけではなく、部下の育て方やどのような優秀な部下が育ったかも評価基準のひとつです。

トヨタでは、リーダーに限らずそれぞれの職層に上がる前には「階層別研修」という研修を行います。トヨタの階層別研修の特徴は、現場の2つ上の職制が指導する内製教育を基本としているところです。現場のリーダーが、これからリーダーの階段を上っていく次世代リーダーを指導すると、実際にどのようにリーダーシップをとるか実践的に学べます

また、2つ上の職制から教育を受けることでリーダーとしての視点やものの見方を高い目線で学ぶことができることも大きなメリットです。

「発生型問題解決」と「設定型問題解決」

トヨタの管理職研修では問題解決力に重きを置いています。階級が上がれば当然教育内容も高度になりますが、そのなかでも問題解決は大きなテーマとして取り上げられます。問題解決には、大きく「発生型問題解決」と「設定型問題解決」の2つの方法があり、テーマのとらえ方や実践する職層が異なります

研修では自分が所属する職場の問題を取り上げ、数か月かけて取り組んでいきますが、リーダーは両者の概念や具体的な解決法を身につける必要があります。

「発生型問題解決」は、設定した目標に対して、何らかの原因で目標の水準に達しない状態、つまりマイナスをゼロに戻す解決方法です。具体的にはその日に起きた問題や慢性的に発生する困りごとがテーマとなり、主に一般の職層が対象となります。

一方で、「設定型問題解決」は、発生型問題解決よりも高度な問題解決方法です。現状は問題が起こっていない状況で、あえて将来的に起こり得る問題や今よりも高い目標の水準を作り、現実とのギャップを生み出して解決する方法で、管理職が対象となります。

トヨタでは「発生型問題解決」と「設定型問題解決」の2種類を使い分けて、さまざまな問題に取り組んでいます。以下の記事で「発生型問題解決」と「設定型問題解決」を詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

問題解決の基本となる「発生型問題解決」と「設定型問題解決」とは?問題解決力の重要性も紹介

研修は「学ぶ場」ではなく「確認の場」

社内研修と言えば、「仕事のレベルアップのために必要な能力や知識を身につけるためにおこなわれるもの」というイメージがあるのではないでしょうか。しかし、トヨタの階層別研修は「学ぶ場」にとどまらず、能力の「確認の場」という位置づけをしています

あくまでも実践を前提とした、これから自分がなろうとする職制にふさわしい能力や知識があるかどうかを確認する場であるため、一般企業の研修とは少し意味合いが異なります。

トヨタでは部下の上に立つリーダーとして、数字や成果とあわせて、日頃から部下をどう育て、どのような優秀な部下が育ったかを重視します。これらができてこそ一人前のリーダーとして上層部から評価されていきます。

階層別研修に送り出す人数は枠が決まっており、昇格の基準に達している者だけが参加できる実力主義のため、上司としては他の部署に枠を奪われないように日頃から部下をしっかりと育てることが求められています

まとめ

トヨタではリーダー研修をおこなう際に現場の2つ上の職制が教える仕組みを導入しています。2つ上の職制から直接教えてもらうことにより、以下のようなメリットがあります。

  • 自分がなる職制よりも高い目線で見ることの大切さを学べる
  • 実際にどのようにリーダーシップをとるか実践的に学べる
  • リーダーにふさわしい視点やモノの見方も学べる

トヨタのリーダー研修は一般的な社内研修とは異なり、「学ぶ場」ではなく「確認の場」です。なろうとする職制にふさわしい能力が身についているかを確認し、職場での実践を目指します。

また、トヨタのリーダーは数値成果だけではなく、部下の育て方やどのような部下が育ったのかも大事な成果として評価されており、こうした教育や評価のしくみが人を育てる文化として受け継がれています。これからリーダーや管理職を育てる方は、ぜひ今回紹介したリーダーの育て方を実践してみてはいかがでしょうか。

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