監修者
文室 義広
OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車にて、製造現場の改善、販売店の事務系改善などの42年の経験をへてOJTソリューションズに入社しました。少林寺拳法で鍛えた「自他共楽」の精神を胸に、お客様の会社の社員になった気持ちで日々改善活動に伴走しています。
ひとりひとりのメンバーがモチベーションを高めて仕事をするためには、リーダーがおこなうコミュニケーションが重要です。コミュニケーションの基本は挨拶です。トヨタでも特に挨拶には重きを置いており、リーダーからメンバーに対して積極的に挨拶をしています。
リーダーが積極的に挨拶や声かけをすれば、職場が話しやすい雰囲気になり、リーダーに業務に関する報告や悩みの相談がしやすくなるメリットもあります。
本記事では、リーダーから挨拶をする重要性をはじめ、継続的な声かけをするメリットも紹介します。働きやすい環境づくりを目指している方はぜひご覧ください。
トヨタでは、メンバー全員が気持ちよく仕事ができるよう、コミュニケーションとチームワークを大切にしています。コミュニケーションがまともにとれない状態では、リーダーはメンバーのレベルや特性を踏まえた役割を与えたり、指導をすることができません。また、チームワークがなければメンバー同士が補いながら一丸で成果をだすことが難しくなります。この2つは、仕事をするうえで前提となるものです。
トヨタでは、5~8人のメンバーをまとめる班長を経て、課長に昇進すれば約300人の部下をまとめることになりますが、班長と課長のどちらのポジションでも挨拶と声かけは欠かせません。自分の部下と気軽に言葉を交わせない関係ではお互いの考えが伝わらず、日々の問題解決や目標達成に対するメンバーからの協力は得られないでしょう。
リーダーから挨拶をするだけで、職場は変わります。挨拶や声かけは会話をするためのきっかけになるため、良好なコミュニケーション構築の糸口になります。
挨拶はリーダーが自分から率先してやることが重要です。あるトレーナーはトヨタの課長時代に、部下から先に挨拶をされたときは、あえて声の大きさを倍にして返したそうです。すると、メンバーは大笑いしてその場の雰囲気が一気に和んだと言います。
お互いに話しやすい環境をつくるには、たかが挨拶、と考えるのは間違いです。
挨拶や声かけは、単に職場の雰囲気をよくするためだけにおこなうのではなく、メンバーの変化を察知する機会にもなります。あるトレーナーはトヨタの工長だった時代に、20人ほどのメンバーに対して1日に何度か声をかけるようにしていたそうです。すると、短い返答だけで順調か不調かがわかるようになり、トラブルが起こる前に対策ができるようになりました。
現代ではリモートワークを導入する企業も増えてきていますが、オンラインのコミュニケーションは対面に比べて難しい傾向があります。仕事をするうえで、孤独を感じるメンバーや精神的に疲弊するメンバーもいるかもしれません。職場で接する機会が減っている今こそ、リーダーは普段から挨拶と声かけを積極的におこなって、メンバーの変化を察知する機会をつくり出していくことが大切です。
トヨタではコミュニケーションとチームワークこそ、よい仕事をするうえで欠かせないものだと考えています。
また、メンバーひとりひとりに対して頻繁に挨拶や声かけをすれば、メンバーが感じていることや変化を早く察知でき、トラブルが起こる前に対策できるでしょう。働きやすい職場づくりを目指している方は、まずは積極的な挨拶と声かけを実践してみてください。
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