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2025.01.31

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職場に潜む問題を見つけやすくする方法!オフィスワークでも使える5つの視点を解説

職場に潜む問題を見つけやすくする方法!オフィスワークでも使える5つの視点を解説

文室 義広

監修者

文室 義広

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車にて、製造現場の改善、販売店の事務系改善などの42年の経験をへてOJTソリューションズに入社しました。少林寺拳法で鍛えた「自他共楽」の精神を胸に、お客様の会社の社員になった気持ちで日々改善活動に伴走しています。

職場では大小さまざまな問題が常に起こっています。しかし、問題はすべてが目に見える明確なものばかりではありません。なかには水面下に隠れてしまっていて見つけづらい場合もあり、発見が遅れて問題が大きくなってしまうこともあるかもしれません。

トヨタには職場の問題を見つけ出す様々な視点があります。たとえば7つのムダの視点、4M(人・機械・材料・方法)の視点などが挙げられます。本記事では、オフィスワークでも使える職場に潜む問題を見つけやすくする5つの視点を解説します。製造現場、オフィスワーク問わず使える視点ですので、問題の見つけ方にお悩みの方はぜひご覧ください。

お客様の立場で考える

トヨタでは潜んでいる問題を見つけるために、5つの視点を持つよう指導されています。特にオフィスワークは、製造業と比較すると人に仕事が紐づいて属人化しやすく、また数字で視えることも限られます。そのため、職場に問題に気付きにくいと言われています。しかし、どのような環境でも活きるのが「視点」を知ることです。以下の5つの視点を活用して、問題を見つけてみてください。

1つ目の視点は「お客様の立場で考える」です。どんな企業でも当たり前のようにお客様第一を掲げていますが、仕事に慣れたり忙しい環境にいると、どうしても供給する側の理屈でものごとを考えるようになってしまいます。原点に立ち返り、自分が商品を買って使う・サービスを利用する立場になってみましょう。今まで気づけなかった使いづらさや不便に感じるなどの問題が見えてきます。

また、自分が顧客としてサービス・商品を利用して不便だったことやがっかりしたことを思い出すと、自分もお客様に同じ思いをさせていないか振り返ることができるでしょう。さらに、お客様からのクレームというのは明確に職場の問題を認識するチャンスです。実際に「お客様の立場」で顕在化している課題ですから、解決の優先順位は高いでしょう。クレームに対して担当者レベルで解決しまい、組織内で共有がなければまた問題が隠れてしまい、再発してしまうかもしれません。

汚れを見る

2つ目の視点は「職場にある汚れに注目する」です。トヨタでは汚れをただの汚れとはとらえず「汚れのあるところに問題が潜んでいる」と考えます。たとえばわかりやすく冷蔵庫で考えてみましょう。野菜室の底が汚れていたら、賞味期限の切れた野菜が放置され腐っているかもしれません。製氷室が汚れていたとしたら、水が通るパイプに不具合があるかもしれません。これは工場や生産現場でも同じです。いつも同じ個所に油汚れが付く場合、単なる汚れではなく、オイル漏れが生じている可能性も考えられます。

汚れとは少し違うかもしれませんが、オフィスでは机の上に積まれた書類が該当するでしょう。書類の山は問題の山と認識すべきです。特に長期間放置されてほこりをかぶっているような状態では、仕事の処理が遅れ後工程に迷惑がかかるだけではなく、重要な書類が混ざっていて取引先や顧客にも影響を及ぼす可能性があります。まずは汚れをなくす5Sの「清掃」から始めるのが問題発見の第一歩です。

急いでいる人や場所に注目する

3つ目の視点は「急いでいる人や場所に注目する」です。急いでいる人がいる場所には、問題が眠っていることが多くあるため、常に人・モノ・情報の流れとその早さに注目します。急いでいる場合、必ず「急がなければならない理由」がそこにあります。そもそもの計画の悪さかもしれませんし、個人の事情やスキルによるものかもしれません。トヨタの腕のよいメンバーは標準のやり方が体に染みついているため、動きや段取りにムダがなく、常に余裕を感じられます。

例えば次から次へとかかってくる電話の対応に追われている人は、一見頑張っているように見えます。しかしそこには「電話対応に追われる理由」が必ずあります。その理由が職場の問題かもしれません。多くの場合、段取りが悪かったり情報伝達ができていなかったりすることが主な原因です。職場の問題を探すときは、余裕がある人よりも忙しい人の方にフォーカスしてみましょう。

アウトプットを見る

4つ目の視点は「アウトプットを見ること」です。これは単純にアウトプット(成果物)を見て問題がないか判断しよう、ということです。多くの方がすでに取り組んでいることでしょう。成果物が満足のいくものではないときや期待していた効果が得られないときは、そのプロセスに問題が潜んでいます。

営業職を例に挙げると、営業ノルマがアウトプットです。ノルマを達成できなかった場合、顧客リストを集める→アポイントをとる→商談をする→クロージングをするという営業プロセスのどこかに問題が隠れています。自分自身の仕事や自分が所属する部署の仕事のなかでアウトプットが目標に未達の場合は、ゴールに至るまでのプロセスを確認するのが有効です。

4つ目の視点は「アウトプットを見てからプロセスを見る」と言い換えてもいいかもしれません。

自分の仕事を「視える化」する

5つ目の視点は「自分の仕事を視える化する」です。これは自分がやっている仕事を棚卸して、いつどんな仕事をどんな順番でやっているかを客観視して問題を見つけよう、ということです。あるトレーナーは、「究極の視える化は、自分たちの仕事を撮影して、客観的に見ること」と言っています。以前ある病院の指導をする際、スタッフに対して自分たちの仕事ぶりをビデオで撮影するよう指示しました。

撮影した動画を見ると、看護師の動きが一定ではなく人によってバラつきがあること・看護師と看護助手の役割分担が明確ではないことがわかりました。撮影しないかぎり、自分の仕事っぷりを客観視することはできませんし、他の人との比較もできません。その後、作業要領書の作成や仕事の振り分けの再確認をし、稼働率が高まったうえ超過勤務も大幅に減少しました。

また、まったく畑違いの部署の人や外部の人の視点を活用すると問題が見つかりやすくなります。他人に自分の仕事を見てもらえば、自分では気付かなかった問題が浮き彫りになるかもしれません。そのため、部署の問題を特定するときには部署横断のプロジェクトを立ち上げて問題解決にあたるのも有効です。

まとめ

トヨタでは問題を見つけやすくするために以下の5つの視点を持って物事を見ることを大切にしています。

  • お客様の立場で考える
  • 汚れを見る
  • 急いでいる人や場所に注目する
  • アウトプットを見る
  • 自分の仕事を「視える化」する

これらの視点で見れば、潜んでいる問題を見つけやすく、早期に問題解決に取り組めるはずです。問題がなかなか見つからないとお悩みの方は、ぜひトヨタが大切にしている5つの視点を試してみてください。

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