順調に売上が伸びており、人間関係や業務の進行でトラブルが起きていない場合、職場には何も問題がないと誤解してしまうケースは珍しくありません。

しかし、どのような職場でも必ず問題は存在します。順調に仕事が遂行されているように見えても、実は水面下で問題が発生している可能性も少なくありません。

本記事では、トヨタが「問題がないことが最大の問題である」と考える理由や問題を発見するコツを解説します。あわせて問題解決力を高める考え方も紹介するので、ぜひご覧ください。

「問題がない」ことが最大の問題

トヨタでは「問題がないことが最大の問題である」と考えており、問題を常に洗い出して改善を続けます。

表面的には何の問題もないように見える職場でも、必ず問題は存在します。しかし、多くの会社は問題を問題と認識せず、目に見える形で不利益が生じてから解決しようとします。

問題が表面化する前に発見し、適切な方法で対策や改善を繰り返していくことが、会社や組織を強くします。問題が問題と認識されずに放置されていると、会社が成長しないだけではなく、将来的にお客様からのクレームや売上減少にもつながりかねません。

問題を問題として認識することからはじめる

問題を視える化して対策するためには、まず問題を問題として認識することが重要です。

小さなトラブルや不良であれば問題と認識せず、偶然起こったミスととらえてしまうことも珍しくありません。しかし、小さなミスでも積み重なれば大きな問題となり、生産性が下がったり業績にも影響が出たりするかもしれません。

製造現場で不具合やミスがあると、不良品となって見える形であらわれるため問題が表面化しやすいですが、オフィスワークの場合は問題が目に見えにくいことがあります。

オフィスワークをはじめ、属人性が高く問題が見えづらい職場で働いている人ほど、問題を問題として認識するスキルが必要とされます。

どんな仕事にも必ず問題は潜んでいる

どのような業種や仕事にも必ず問題は潜んでいるため、トヨタでは問題を発見する力を現場で徹底的に鍛えられます。

例えば、問題を見つけるために定位置に立って現場を観察するよう先輩が新人へ指示することがあります。重要なのは答えを教えるのではなく、自分で気付けるように着眼点やヒントを与えるだけに留めることです。

ただし、抽象的なヒントのみ与えてあまりに難しく考えさせてしまうと、問題を発見することを諦めてしまうことがあります。非常に難しいスキルではありますが、先輩や上司は答えを導き出せるレベルの適切なヒントを与えることが重要です。

はじめはどこに問題があるのかが理解できていなくても、先輩からの指導により徐々に問題を問題として認識できるようになります。

「もっと」を口ぐせに問題意識をもつ

問題発見力を高めるには、今の状態をベストとせずに「もっと」を口ぐせにして仕事をとらえると問題が見つかりやすくなります。

どれだけ順調に仕事が遂行されていても、現状のやり方やしくみに満足するのではなく、常に改善できるポイントを探し続けることが大切です。

「もっと楽に仕事ができる方法はないか？」「もっとムダを減らせないか？」など、常に今よりもよい状態を求めることが問題発見力を高める第一歩です。

まとめ

どのような仕事にも、大なり小なり必ず問題が潜んでいます。トヨタでは、問題に気づき、解決することが従業員の基本スキルとして求められています。

問題を表面化させて解決し、常に改善を繰り返していくことが、会社や組織を強くします。

もっと会社や組織を成長させたいと考えている方は、ぜひ「問題がないことが最大の問題である」の考え方を取り入れてみてください。