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2025.03.07

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保全活動で生産の基盤を強くする!保全活動推進や定着のポイントを解説

保全活動で生産の基盤を強くする!保全活動推進や定着のポイントを解説

安田 幸治

監修者

安田 幸治

OJTソリューションズで、 お客様の改善活動と人材育成をサポ―トするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車にて42年間の現場経験、管理職の経験を経てOJTソリューションズに入社しました。モットーは「仲間に感謝」。時に愛犬に癒されながら、日々お客様の現場で感謝・改善・努力の毎日を過ごしています。

トヨタにおいて保全とは、稼働率や収益、安全にも影響する生産活動の土台と考えられています。そのためトヨタの保全活動は、全員で取り組むTPM(トータル・プロダクティブ・メンテナンス)活動である点が特徴的です。

多くの企業が保全活動に取り組んでいるものの、「今この瞬間、設備が止まっているかもしれない」という不安や、「なかなか保全活動が定着しない」という悩みをお持ちかもしれません。本記事ではトヨタの保全活動の概要をはじめ、具体的な進め方や成功のポイントを紹介します。

トヨタの保全はTPM(トータル・プロダクティブ・メンテナンス)活動

そもそも保全とは、設備の持っているパフォーマンスを最大限に活かす活動のことを指します。「設備が壊れた際の修繕作業」や「機械の消耗品などの取替作業」も保全活動ですが、こうした作業がすべてではありません。製品品質の異常や、通常と異なる動きをしているといった異常を、いち早く発見し正常に戻す作業こそが保全です。

1970年代までトヨタでおこなわれていた保全は「縁の下の力持ち」と言われ、注目されることも少ない活動でした。そこから時代とともに、設備が壊れる前に手を打つ攻めの保全活動へと変化し、現在はさらに全員で取り組むTPM(トータル・プロダクティブ・メンテナンス)活動へと進化しています。

TPMとは、「全員参加の生産保全」と訳され、設備故障や不良など生産におけるあらゆるロスをなくして効率化を追求する活動のことを指します。TPMは、トヨタ生産方式を支える基盤とも言えるのです。

保全活動を進めるポイント

TPMのような、設備が故障する前から実施する保全活動は、既存業務で忙しい現場を巻き込むことが難しい場合があります。「今でも忙しいのに、さらに仕事を増やすのか」と現場から反発を生むためです。

こうした反発を乗り越え、保全活動を推進するためのポイントを紹介します。

  1. 担当を決め、設備に対して愛着を持たせて理解を深める
  2. 保全活動の意義は「ラクにする」活動であると伝える
  3. まずは設備の清掃から始める

それぞれ解説します。

担当を決め、設備に対して愛着を持たせて理解を深める

一つ目のポイントは、それぞれ設備ごとに担当を決めて、担当設備に対して愛着を持ってもらうことで、設備への理解を深めることです。

担当する設備の維持や手入れを任せることで、より一層愛着を持って作業するようになり、設備への理解も深まっていきます。設備に関する知識も深まるため、小さな異常にも気付きやすくなります。

保全活動の意義は「ラクにする」活動であると伝える

二つ目のポイントは、保全活動は現場の仕事を「ラクにする」作業であると理解してもらうことです。

保全活動は全員で取り組む活動であるため、誰か特定の社員に負荷がかかるものではありません。さらに、設備の故障や異常が起きないよう未然に対処をする活動になるため、設備故障や異常が起きにくく、結果的に仕事を「ラクにする」ことにつながります。この点を現場に理解してもらうことが重要です。

まずは設備の清掃から始める

三つ目のポイントは、まずは設備の清掃から始めることです。

設備の清掃をおこなうことで、設備の中身を詳しく知ることができたり、異音の発生原因をつかめたりできます。保全活動の第一歩として重要な作業です。

また、設備の清掃は監督者が率先しておこなうことが大切です。監督者が率先して清掃をすることで、現場社員の意識も変わってきます。

保全活動定着のためには、保全の成功を「ほめる」ことが重要

保全活動を始めてもなかなか定着しないといった課題があれば、保全の成功を「ほめる」ことを意識してみてください。

保全活動の定着に向けては、現場が成功体験を積むことが大切です。保全活動にとっての成功とは、「設備を止めないこと」です。設備が止まらないことを経営者や管理監督者は当たり前のことと思わず、現場の努力をほめてください。「小さな努力」から保全の成功が認められることで、より保全活動への意欲が増していきます。

まとめ

保全活動を進めるためには、まずは設備の清掃から始めることがポイントです。それぞれ担当の設備を決め、清掃を任せることで、設備への愛着や知識が深まっていきます。

なかなか進まない現場では、保全活動の意義が仕事を「ラクにする」ことだと理解してもらうことも大切です。

また、保全活動の定着に向けて、管理監督者が現場をしっかり見て「ほめる」ことも意識しましょう。

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