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2024.09.27

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重大災害を防ぐ「STOP6活動」とは?注意すべき6つの危険源や対策例を紹介

重大災害を防ぐ「STOP6活動」とは?注意すべき6つの危険源や対策例を紹介

丸山 浩幸

監修者

丸山 浩幸

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。大阪府出身、トヨタ自動車の品質管理にて41年の現場経験を経て、OJTソリューションズに入社しました。お客様の現場では「この改善、よかったで!」ともう一声の思いやりを大事に、仲間意識が高まるような改善活動ができるよう日々伴走しています。

危険物や重量物を扱う現場では、いつ重大災害が起こるかわかりません。トヨタでは死亡や重大な事故につながる重大災害を防ぐため、「STOP6活動」を徹底し、作業者一人ひとりの安全を確保しています。

動力・重量物・車両・高所・電気・高熱物は「6つの危険源」とも呼ばれ、適切に管理しなければ作業者の安全を脅かす可能性が高いです。

本記事ではSTOP6活動の概要やSTOP6以外に気を付けるべき危険源、危険源ごとの対策を紹介します。重大災害を防ぎ、安全な職場をつくろうと考えている方はぜひ最後までご覧ください。

重大災害を防ぐ「STOP6活動」とは

トヨタで徹底されている「STOP6活動」とは、STOP6を適切に管理して重大災害を防ぐために打ち出された対策です。STOP6は「6つの危険源」とも呼ばれており、危険源ごとに適切な対策をしなければ作業者が安全に作業できる環境はつくれません。

管理監督者は、業務においてさまざまな設備や材料を使用する際、死亡や重大な事故へとつながる「6つの危険源」が潜んでいないかを考えて対策することが大切です。

STOP6に分類される6つの危険源とは

STOP6に分類される「6つの危険源」は、以下のとおりです。

  • Actuator:動力
  • Block:重量物
  • Car:車両
  • Drop:高所
  • Electricity:電気
  • Fire:高熱物

頭文字のABCDEFをとって覚えましょう。STOP6はどれも適切に管理しなければ、死亡や重大な事故につながりかねません。「いつもできているから大丈夫」ではなく、常に「危険な箇所はないか」という厳しい目でチェックし続けましょう

Actuator:動力

STOP6の1つ目は動力で、モーターやシリンダなどの機器が該当します。想定される災害は動力機器に挟まれたり巻き込まれたりするなどです。

製造業においてモーターやシリンダはかかせない設備です。

しかし、強固なものを加工する力があるだけに、ひとたび挟まれたり巻き込まれたりする事故が起こってしまうと手足や胴体が切断されてしまう危険性も潜んでいます。

Block:重量物

STOP6の2つ目は重量物で、クレーンで吊るあらゆる重量物、金型、台車などが該当します。どれも重く強固なものであるため、動いている状態で人間が接触してしまうとひとたまりもありません。

重量物に人間が接触すれば、骨折したり死亡したりする可能性があります。また、重量物を固定するベルトが切れたりゆるんだりすれば重量物が落下する可能性があります。

もし下敷きになれば圧死することもあるため、接触を防ぐ環境づくりが大切です。

Car:車両

STOP6の3つ目は車両で、フォークリフトやトラックなどを指します。フォークリフトやトラックそのものが大きく、強固なため人間と接触すると大怪我や死亡につながりかねません。

また、大型の積載車には重い荷物を載せていることも多いため、それらが転がってきて広範囲で事故が発生する可能性もあるでしょう。

特に、作業に集中して車両が近づいていることに気付かない状況では接触を回避できず、重大災害につながります。

Drop:高所

STOP6の4つ目は高所で、高い作業場所にある開口部や昇降設備、建築現場にある足場などが該当します。高所であればあるほど危険性が高まり、墜落した場合は死亡につながる可能性があります。

突風や足がもつれる、手がすべるなどにより想定していなかった落ち方をすることもあるため、高所での作業はより一層慎重におこないましょう。特に、体調が悪いときは平衡感覚が通常よりも低下しているため、十分な休養を取ってから作業にのぞむ、もしくは作業を中止することが必要です。

Electricity:電気

STOP6の5つ目は電気で、制御盤や溶接機の電気コードなどが挙げられます。電気機器には常に漏電や感電の危険性が潜んでいますが、特に制御盤や溶接機の電気コードのような高圧電気を扱う際には注意すべきです。

高圧電気に触れると、大きな熱傷・筋肉の損傷などが起こる可能性があり、死亡につながることも珍しくありません。特に、6,000V以上の超高圧電気に触れれば高い確率で死亡事故になるため、装備や扱い方には細心の注意を払いましょう。

Fire:高熱物

STOP6の6つ目は高熱物で、50度以上の物質や爆発・火災の可能性のある物質が挙げられます。製造現場で日常的に高温の物質を扱っていると「慣れているから大丈夫だろう」と危険の感覚がマヒしてしまう方もいるでしょう。改めて高熱物は死亡災害につながる危険源であることを認識してください。

高熱物は、やけどを負う危険性だけでなく爆発や火災を引き起こす危険性もあります。爆発や火災が起これば広範囲で被害が起こり、会社にも大きな損害を与えます。高熱かつ可燃性の物質は特に取り扱いに注意が必要です。

STOP6以外に気を付けるべき危険源

STOP6以外でも注意すべき危険源はたくさんあります。「STOP6さえ対策していれば問題ない」と考えるのではなく、自社の現場に合わせた危険源に注目することが必要です。

たとえば、以下のような物質や要素は重大災害を引き起こす可能性があるため、ルールを決めて適切に管理してください。

  • 化学物質
  • 放射線物質
  • レーザー
  • 酸素
  • 粉塵
  • 騒音
  • 温度

例えば、有機溶剤や放射線物質への接近や接触はやけどやがんを引き起こす可能性があります。また、レーザーが目に当たると白内障や失明のリスクが考えられます。

なかには自覚症状がないまま体に蓄積される物質も存在するため、少しでも異変を感じたら作業を止めることも大切です。

STOP6の対策例

STOP6による事故を防ぐためにとるべき対策例を紹介します。

  • Actuator:動力の対策例
  • Block:重量物の対策例
  • Car:車両の対策例
  • Drop:高所の対策例
  • Electricity:電気の対策例
  • Fire:高熱物の対策例

危険源ごとに適切な対策をすれば、死亡や重大な事故の可能性を限りなく下げることが可能です。

Actuator:動力の対策例

動力に対する対策は、そもそも物理的に触れられないようにすることです。柵やカバーなどを用いてモーターやシリンダなどに触れられないようにすれば、事故を防げます

また、機械を触るときや設備内に入るときには確実に止まったことを確認することも大切です。止めたつもりでも止まっていなかった、スイッチが切れていない状態で離れた、中に人がいるのに第三者が起動してしまった。こんな状況で起きる事故は少なくありません。

Block:重量物の対策例

重量物に対する対策は、重いものや固いものを吊っているときや移動しているときに近付かないことです。しっかり固定されているように感じられても、目には見えないところで固定具がゆるんでいる可能性も十分に考えられます。吊り具などの使用前点検を怠らないようにしましょう

また、可能な限り低い位置での保管・低い位置での移動を徹底すれば、落下してしまっても災害を最小限に抑えられ、事故につながるリスクを抑えられるでしょう。

Car:車両の対策例

車両に対する対策は、歩車分離を徹底することです。車両が動く領域と人が作業する領域を明確に分けることで、物理的に車両と人が接触するのを防げます

また、指定経路以外を走らない、走らせないことを徹底するのも大切です。作業に慣れてきたり焦っていたりすると早いルートや楽なルートで走行しがちですが、想定されている経路以外を走ると予期せぬ事故が起こる可能性があります。

車両を扱う際にはシートベルトやヘルメットなど保護具を着用させることも大切です。

Drop:高所の対策例

高所に対する対策は、確実に安全帯を着用させることです。安全帯とは、高所で作業をおこなう際に作業者を墜落から防止する保護具ですが、正しい使い方をしなければ効果を発揮しません。

初めて高所作業をおこなう作業者に対しては、初歩的なことからしっかりと知識や使い方を教えましょう

また、計画にない作業をおこなわないことや勝手に高所に上がらないことも大切なポイントです。高所で作業をおこなう際には、手元、足元を見て作業ができることを確認してから取りかかりましょう。

Electricity:電気の対策例

電気に対する対策は、絶縁用保護具の着用を義務づけることです。絶縁用保護具を着用すれば、もし漏電が起こっても人体への影響を防げます

また、作業の前後に検電器で安全を確認することも大切です。検電器では電気回路が止まっているかを目視で確認できるため、感電を防げます。

Fire:高熱物の対策例

高熱物に対する対策は、高熱物用の保護具を着用することです。

また、高熱を発するガスを扱う場合は、着火前の換気や漏れをチェックし爆発や火災の危険性がないことを確認してから作業に取りかかりましょう。

まとめ

重大災害を防ぐ「STOP6活動」の観点で危険を事前に予知し、対策を徹底することで、死亡や重大な事故を防ぐことが可能です。

動力・重量物・車両・高所・電気・高熱物の「6つの危険源」以外にも危険とされる物質や要素、状況は多く存在します。

「いつも安全に使用できているから大丈夫」と思っていても、事故はいつどこで起こるかわかりません。

骨折ややけどといった外傷からがんや失明など臓器への影響が出るケースもあるため、漫然と作業をせず、安全に作業ができる環境かを厳しい目でチェックし続けることが大切です。

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